【検証】 ヒトの目では見えないものが見える? 偏光カメラを使ってみた

カメラ

皆さん、こんにちは!
上越市を拠点にし、「FA設備・装置開発」と「画像処理」に強い会社、NSIです!
私達は豊富な経験と専門知識で、各種業界の自動化・システム化のお手伝いをしています。

今回は「偏光カメラ」を使ってみました。
偏光カメラって何?何ができるの?という点についてご紹介していきます。

ここ最近カメラの記事が続いていましたが、ひとまずこれで一区切りとなります。
どうぞ最後までお付き合いください。

偏光とは?

私達の身の回りにある「光」には様々な情報が含まれています。
明るさや色なども情報の一部ですが、その中に「偏光」という情報があります。
偏光とは、特定の方向に振動する光のみで構成されている状態 のことを指します。

スマートフォンの保護フィルムを例に挙げてみましょう。
保護フィルムには色々な種類がありますが、その中にも覗き見防止できるものがあります。
これには偏光フィルタが使われており、光が特定の偏光方向を持つときに、光を遮ることができます。
そのため、特定の角度からスマートフォンを見ると、ディスプレイの光が遮られることにより見えにくくなります。

さて、偏光について説明しましたが、「偏光カメラ」とは何なのでしょうか?
簡単に言うと、光の偏光方向を検知して可視化することができるカメラ です。
まずは、実際に撮影してみましょう!

撮影してみた

今回はメガネを撮影してみました。
ガラスに歪みがあると、光の偏光方向は変化するので、カメラを通して可視化できるようになります。

フラット照明の上に偏光板を置き、偏光照明となるようにして撮影しました。
フレームに近い部分に歪みがあることが分かります。

上図だと歪みが分かりにくいため、疑似カラーモードで撮影しました。
偏光角を色相、偏光度を彩度、平均強度を明度として、HSV画像を作成し、RGBに変換して表示できるモードになります。
先程よりもはっきりと歪みが分かります。

活用事例

今回はガラスの歪みを撮影しましたが、偏光カメラは他にも色々なことに活用できます。

事例1. 細かな凹凸形状のあるワーク
凹凸は陰影となります。うまく光の反射を拾う必要がある為、偏光カメラが力を発揮します。

事例2. ガラスやプラスチックなどの透明なワーク
透明体は通常の光を透過させる、もしくは光の当たり方、曲面によっては大きく反射してしまいます。
偏光カメラにより、例えば容器内の錠剤のあるなしや、表面の汚れを検出できます。
また、ガラスは加工部位に応力※がかかると偏光の情報が変化します。ガラス同士を接着し固定するような物の場合、接着の具合等を確認することが可能です。


※応力 – 物体にかかる力がどれだけその物体を「圧迫」「引っ張る」「ずらす」などの形で影響を与えるかを示すもの。

最後に

今回は偏光カメラを使ってみました。
偏光画像については、古くからその有効性が知られていたにもかかわらず、なかなか産業分野、特にインラインの検査装置での活用が広まって来ませんでした。
しかしながら、近年固体撮像カメラを使って、高速で安定した偏光画像の撮影が可能となったことで、急速にその応用分野が広がっています。
一般的に、偏光画像が有効とされる、ガラス製品、フィルム製品、フラットパネルディスプレイ、精密光学部品等の検査だけでなく、近年では顔認識、細胞培養の観察、OCT(光干渉断層計)、リモートセンシングなど、幅広い分野での利用が始まっています。
今後の展開からも目が離せませんね。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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