【画像処理解説】メディアンフィルタとは?

画像処理

皆さん、こんにちは!
上越市を拠点にし、「FA設備・装置開発」と「画像処理」に強い会社、NSIです!
私達は豊富な経験と専門知識で、各種業界の自動化・システム化のお手伝いをしています。

気づけば2月も後半ですね。
「今年は雪が少ないかな?」と思った矢先の大雪…。
頼むからこれ以上は積もらないでくれ~!と、祈るばかりです。

今回は「メディアンフィルタ」の仕組みについて解説します。
ぜひご覧ください!

メディアンフィルタとは?

メディアンフィルタは、ノイズを低減し、画像を滑らかにするためのフィルタです。
あるピクセルの周囲の値から中央値を算出し、そのピクセルの値を中央値に置き換える処理を行います。特に「塩コショウノイズ」の除去に効果的です。

補足:塩コショウノイズとは?
塩コショウノイズとは、画像上にランダムに現れる白(塩)と黒(胡椒)のノイズのことを指します。これは、データの破損・通信エラー・センサーの異常などによって発生し、画像の一部に突然の極端な明るさ(255)または暗さ(0)が現れるのが特徴です。別名として、ごま塩ノイズ、インパルスノイズ、スパイクノイズ、バイナリノイズ などと呼ばれることもあります。

平均化フィルタとメディアンフィルタの違い

似たような処理に「平均化フィルタ」がありますが、大きな違いは置き換える値です。
平均化フィルタは、周囲の値の「平均値」を、メディアンフィルタは、周囲の値の「中央値」を対象のピクセルに置き換えます。

メディアンフィルタ処理の流れ

① 画像上のピクセルを3×3分取得します。(図では○部分の目の付近を例にしています。)

② 中心にある144が対象の値です。

③ 周囲のピクセルを含め、順番に並べます。

並べ替え前:78, 154, 150, 165, 144, 160, 156, 157, 152
並べ替え後:78, 144, 150, 152, 154, 156, 157, 160, 165

④ 今回の場合、中央値は「154」となります。

平均化フィルタと比較すると?

メディアンフィルタは輪郭を保ったまま、色味のばらつきが一定になったのに対し、平均化フィルタは全体がぼやけています。

べんぞうくん
べんぞうくん

輪郭を保持しつつ、ノイズを抑えることができるんだね。

メリットとデメリット

メディアンフィルタのメリット・デメリットについて考えてみました。

メリット:画像のエッジを保持したノイズ除去
ピクセルの中央値を採用することで、外れ値(=ノイズ)に強く、画像のエッジを維持できます。

デメリット:計算コストの高さ
中央値を算出するための並び替え処理があるため、平均化フィルタと比べて処理に時間がかかります。

活用例

メリット・デメリットを踏まえ、活用例を考えてみました。

例1.ノイズ除去

メディアンフィルタは、「塩コショウノイズ」の除去に効果的です。
ノイズを除去しながら、画像の輪郭を保持することが可能です。

べんぞうくん
べんぞうくん

平均化フィルタと比較すると、ノイズ除去効果は一目瞭然!

例2. スムージング効果

画像内の細かい質感を除去し、滑らかな画像を作成することが可能です。

べんぞうくん
べんぞうくん

Afterのピーマンの表面は「つるっ」としているね。

最後に

今回は メディアンフィルタ について解説しました。
画像の輪郭を保持しつつ、ノイズを除去する効果があります。
まだまだ色々な処理について解説していきます!
「画像処理」タグから定期的にチェックしてみてくださいね。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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http://www.net-nsi.co.jp/toiawase.html

べんぞうくん
べんぞうくん

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