皆さん、こんにちは!
上越市を拠点にし、「FA設備・装置開発」と「画像処理」に強い会社、NSIです!
私達は豊富な経験と専門知識で、各種業界の自動化・システム化のお手伝いをしています。
いよいよ12月に突入!
12月はクリスマスや大晦日など、イベントが盛りだくさんで忙しい時期ですよね。
実は「師走」という言葉には、年末に僧侶が各寺院を忙しく走り回る様子に由来するという説があるそう。昔からこの時期は忙しかったみたいですね…。
今回は「ラプラシアンフィルタ」の仕組みについて解説します。
ぜひご覧ください!
ラプラシアンフィルタとは?
ラプラシアンフィルタとは、画像のエッジ検出を行うためのフィルタです。
エッジとは画像内の色の変化が急激に起こる部分を指します。
ラプラシアンフィルタは、画像内の変化の度合い(勾配)の二階微分を計算し、エッジを強調します。
一方、ソーベルフィルタもエッジ検出フィルタですが、計算方法が異なります。
ソーベルフィルタは画像の水平方向と垂直方向の勾配をそれぞれ計算する「一次微分」に基づいていますが、ラプラシアンフィルタでは「二階微分」を用いるため、全方向の勾配を取得することが可能です。
一次微分と二階微分の違い
一次微分と二階微分は、どちらも「変化」を捉えるための手法ですが、解釈が若干異なります。
簡単に言うと、一次微分(ソーベルフィルタ)は、「どこで変化が起きているか」というエッジの方向を見つけ、二階微分(ラプラシアンフィルタ)は、「変化が急激に起きている部分」というエッジそのものを強調します。
山を例に例えると以下のようになります。
一次微分:山の傾斜はどのくらい急なのか?(=傾き)を測るイメージ。
二階微分:山の頂上や谷でどこが頂点なのか?(=変化が大きい点)を探すイメージ。
ラプラシアンフィルタ処理の流れ
① 画像上のピクセルを3×3分取得します。(図では○部分の目の付近を例にしています。)
② 中心にある144が強調したい値です。
③ カーネルと呼ばれるフィルタ行列を使い、勾配を計算します。
ラプラシアンフィルタの場合、カーネルは通常2種類のうちのいずれかが使用されます。
今回は「4方向カーネル」を使用します。
4方向は水平と垂直方向のエッジのみを強調、8方向は全ての方向のエッジを強調するよ。
③の計算式)
それぞれの輝度値をカーネルに当てはめて勾配を計算します。
(78×0)+(154×1)+(150×0)+(165×1)+(144×-4)+(160×1)+(156×0)+(157×1)+(152×0)=60
④ ③の計算結果が、エッジの強さ(勾配の大きさ)となります。今回の場合は「60」となります。
ソーベルフィルタと比較すると?
ソーベルフィルタは直線的なエッジだけど、ラプラシアンフィルタは画像の質感を保ちながらエッジを強調できているね。
メリットとデメリット
ラプラシアンフィルタのメリット・デメリットについて考えてみました。
メリット:質感を保持した全方向エッジ検出
直線的なエッジだけでなく、複雑な曲線も強調できるため、質感を損なうことなく全方向でエッジを検出できます。
デメリット:ノイズ影響と方向性の未考慮
二階微分を使用しているため、画像内のノイズや微細な変化に過敏に反応し、本来強調しなくて良い箇所が不自然に強調されてしまう可能性があります。また、全方向でエッジを取得するため、特定方向のエッジ検出は得意ではありません。
活用例
メリット・デメリットを踏まえ、活用例を考えてみました。
例.エッジ検出
エッジを検出することで、対象物の輪郭を抽出することが可能です。
対象物と背景が似たような色でも抽出できるため、例えば金属の刻印などを抽出することができます。
二値化を組み合わせることで、より鮮明に見えるね。
最後に
今回は ラプラシアンフィルタ について解説しました。
画像の質感を損なわずに、エッジを強調する効果があります。
まだまだ色々な処理について解説していきます!
「画像処理」タグから定期的にチェックしてみてくださいね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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