皆さん、こんにちは!
上越市を拠点にし、「FA設備・装置開発」と「画像処理」に強い会社、NSIです!
私達は豊富な経験と専門知識で、各種業界の自動化・システム化のお手伝いをしています。
いよいよ明日から4月ですね。
新生活が始まる方も多いのではないでしょうか?
新しい環境で気持ちを引き締めて、頑張っていきましょう!
今回は「ガウシアンフィルタ」の仕組みについて解説します。
ぜひご覧ください!
ガウシアンフィルタとは?
ガウシアンフィルタは、画像を「ぼかす」ためのフィルタです。
その名の通り「ガウス分布(正規分布)」を使用し、画像を滑らかにする処理です。
主に、ノイズ除去やエッジ検出の前処理として使われることが多いです。
ガウス分布とは?
簡単に言うと、平均値を中心に、左右対称に広がる分布 のことです。
統計学では「正規分布」とも呼ばれ、グラフにすると山のような形(釣鐘型)になるのが特徴です。


平均値・最頻値・中央値が一致するのもガウス分布の特徴だよ。
ガウシアンフィルタ処理の流れ

① 画像上のピクセルを3×3分取得します。(図では○部分の目の付近を例にしています。)
② 中心にある144が対象の値です。
③ カーネルと呼ばれるフィルタ行列を使い、ガウス分布に基づく重みを掛けた平均を計算します。
今回は3×3のカーネルを使用します。

③の計算式)
それぞれの輝度値をカーネルに当てはめて計算し、その合計をカーネルの合計(16)で割ります。
(78×1 + 154×2 + 150×1 + 165×2 + 144×4 + 160×2 + 156×1 + 157×2 + 152×1) ÷ 16 = 149
④ 今回の場合、輝度値は「149」となります。
メリットとデメリット
メディアンフィルタのメリット・デメリットについて考えてみました。
メリット:自然なぼかしとノイズ除去
ガウス分布に従って重みをつけることで、中心のピクセルを強調しつつ、周囲を滑らかなにぼかすことができます。これにより、特に微細なランダムノイズを自然に除去することが可能です。
デメリット:エッジのぼやけと塩コショウノイズへの弱さ
ぼかし処理の性質上、強い輪郭や細かいディテールも、ある程度滑らかになってしまいます。また、塩コショウノイズのような極端な輝度値(0や255)には弱く、あまり効果が期待できません。
活用例
メリット・デメリットを踏まえ、活用例を考えてみました。
例1.ノイズ軽減
先ほどのメリットにも挙げましたが、ノイズを軽減することが可能です。



ノイズが目立たなくなった気がするね。
例2. ぼかし効果



シルエットがぼんやり分かる程度になったね。
平均化フィルタ・メディアンフィルタとの違い
画像をぼかす処理といえば、今回の「ガウシアンフィルタ」のほかに「平均化フィルタ」や「メディアンフィルタ」があります。それぞれ異なる特徴があり、用途や目的に応じて使い分けることが重要です。
以下に、各フィルタの違いを簡単にまとめました。
フィルタ | 重みのかけ方 | エッジの保持 | ノイズ除去 |
---|---|---|---|
平均化フィルタ | 平均値 | ✕ | △ |
メディアンフィルタ | 中央値 | ○ | ○ |
ガウシアンフィルタ | ガウス分布の重みの平均値 | △ | ○ |
使い分けの目安は以下のようになります。
自然なぼかしをしたいときは… ガウシアンフィルタ
画像全体を均一にぼかしたいときは… 平均化フィルタ
極端なノイズが気になるときは… メディアンフィルタ
平均化フィルタとメディアンフィルタの解説記事はこちら↓
最後に
今回は ガウシアンフィルタ について解説しました。
画像を自然にぼかし、ノイズを軽減する効果があります。
まだまだ色々な処理について解説していきます!
「画像処理」タグから定期的にチェックしてみてくださいね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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